2.プロジェクト構想・企画

2.プロジェクト構想・企画

「よくわかるプロジェクトマネジメント」でプロジェクトマネジメントの基礎を学習した内容をまとめ。

プロジェクト構想を描き、明確にする。

プロジェクト実施宣言

プロジェクトマネジメントで重要なことはプロジェクト実施宣言。プロジェクトは多くの関係者(ステークホルダ)とチームで実行するので実施宣言することでイカが成立する。

  1. プロジェクトとして正式に認知
  2. プロジェクトマネージャーが選任、プロジェクトチームが組織される
  3. プロジェクトメンバーに対し、目標達成への意志を表する
  4. プロジェクトメンバー以外からの協力も得やすくなる
  5. プロジェクトの目的と目標が関係者に明確に理解される

プロジェクトの初期段階に関係者、特にプロジェクトメンバーがプロジェクトの目的と目標を理解し、共有することは極めて重要。プロジェクト実行における意思決定をするうえでの判断基準になる。

プロジェクト目的・ニーズの確認

プロジェクトの立案段階で、目的が要求にあっているのか、どのひょうにすれば要求に応えられるのかという検討・確認を行うことが重要、複数の目かで広い視野からの検討が必要。

プロジェクトの問題解決や新たな発想を模索する場合「ブレーンストーミング」がよく用いられます。

用語:ブレーンストーミング

出席者が考えている事柄を箇条書きで記録、それをヒントに新しい事柄に気づく手法。実行に際して以下を前提に行うことが重量。

  • 人の意見を批判、否定しない
  • 人の意見に追加して発送を広げていく
  • 既成概念にとらわれず自由に発想

プロジェクトでは戦略的意思決定が必要。課題の分析手法

プロジェクトマネージャは意識決定が必要。意思決定の考え方は

  1. ステークホルダの意志を確認し、その要素を分析
  2. 全体の目的と目標との整合性を確認
  3. 意思決定の影響要員は何かを抑えること
  4. 意識決定の優先順位、重みづけをあらかじめ行っておくこと
  5. それらをステークホルダが共有化できる形でまとめる

これらの多角的、総合的な評価の準備ができて、初めて戦略的意思決定が可能なり、次の段階に進むことができる。

プロジェクトマネジメントで大事なのは大枠から決めていく。PDCA,段階的詳細化

PDCAとは計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→修正(Action)

プロジェクトマネジメントでは計画段階を重要視する一方、実行段階での状況を常にチェックし、必要に応じて計画の修正を行い、目標達成を確実にしくという手法。

プロジェクトの初期の計画は大まかにとらえたものですが、進捗に従って修正が加えられ、実行に必要なレベルまで詳細化させます。

プロジェクトの完成までの道のりにはいくつかの段階(フェーズ)があります。

このように初期に全体を捉えた計画を立て、プロジェクトの進捗に応じて詳細にしていくことを

段階的詳細化(ローリングウェーブ)

と呼びます。プロジェクトマネジメントでは、詳細な点にのみにとらわれ「木を見て森を見ず」といった状況に陥ることを避け、目標の全体を捉えて進めることが大切です。

概算コストを見積もる。資金計画

プロジェクトの初期段階で、実施の可否や代替案を検討するために概算コストを把握する必要があり、線ら約を検討するうえでも重要。

十分なコスト算出の基礎情報がない段階で概算コストを把握する手法として以下。

  1. 過去のさまざまな事例からの引用
  2. 類似プロジェクトのコストデータの利用
  3. 公開された一般コスト情報の利用
  4. 専門家の治験の活用

プロジェクトマネジメントでは、まず、大枠をつかむことが重量。概算項との把握はプロジェクトの賛否にかかわる項目として特に重要。

またプロジェクトにおいても、どのコスト項目に注目すべきか、目標の設定をどこに置くかという戦略作りに直結します。

プロジェクトの成果物の確認

プロジェクトの目標達成には具体的に何を行うのか、全体を見えるようにして進める必要がある。どこからどこまでを範囲とするか決める必要がある。

このように

「やりたいこと(要求)」から「やれること(要件)」を絞り込み、

プロジェクトのスコープ(「成果物(供給範囲)」と「作業(役務範囲)」

を決めていきます。

これによりプロジェクトの実行範囲(スコープ)が明らかになります。スコープを明確に。

マスタースケジュールの作成

プロジェクトを実施するうえでの開始から完了までの全体像を示した総合スケジュールをマスタースケジュールという。プロジェクトの実行や管理の基本となるもので、プロジェクトの進行により作られる詳細スケジュールを作成する上での基本となるもの。マスタースケジュールはプロジェクトの「完了日を定義」する最初の書類。実行していくマイルストーンが明確に記載されている必要がある。

マイルストーンとは

プロジェクトの実行スケジュール上、押さえておく必要のある主要イベントのこと。マイルストーンはプロジェクトの実行段階において、課題から生まれる制約や契約条件、計画上の意図などで決定。

マスタースケジュールは以下の手順作成

  1. プロジェクトを実行するうえでの要求事項の整理(契約条件など)
  2. WBSによる作業項目と、完了日などのマイルストーンのリストアップ
  3. 作業項目の順序と関連事項の整理、統合、調整
  4. 内容の承認、正式な発行

調達仕様(要件定義)の決定

プロジェクトで成果物をつくる場合、自社で作成できる場合以外は外部の業者に依頼することになる。すでに出来上がった製品を購入する場合は別にして、発注者の要求に合わせてつくってもらう場合は、発注者がどんなものを作ってほしいかを、受注者へ示しおく必要がある。

発注者の要求、要件をまとめることを「仕様決定」という。仕様決定は基本計画に基づいて作成。

この仕様をまとめたうえで、見積を出してもらうために提示する書類を「見積依頼書」またはRFP(Request for Proposal)という。

複数の提案を比較検討して決定する場合は「依頼する仕事の内容(役務範囲)」「受け取る成果物(供給範囲)」「納期」「支払方法」などの条件を明示したうえで、業者に見積の提出を依頼する。プロジェクトを成功されるには、RFPを正確に書くことが重要。

複数の業者から見積をとる場合、その評価基準をあらかじめ定めておくことが重要。要求を満たしてくれるよりよいぱあートナーを選ぶためにもRFPは必要な項目をもれなく記載し、評価基準を明確に整備すること重要。

引合先の決定

プロジェクトマネジメントの「引合先選択のプロセス」になる。見積依頼先を決めること発注先の候補を絞り込むことになる。引合先を選定する場合は、まず質問状を作成して何社かに送り、要求した項目に対する回答を整理、比較、評価して、詩集的に見積を依頼する数社を絞り込むことが一般的で確実。

大規模プロジェクトでは、競争入札の前に発注者から質問状への回答提出依頼があり、一次選考の後に発注者が候補企業を訪問して担当者へインタビューなどが行われることがある。そのあとに選ばれた数社に見積依頼書(RFP)が渡される。

プロジェクトの総合的マネジメント

世の中の失敗したプロジェクトを見ると、計画がずさんか、計画はできても着実に実行する推進力とマネジメント力に欠けていたかのいずれか。

前者に多いのがプロジェクトマネージャーとしての過信、あるいは経験不足。後者では困難を解決した経験の不足やコミットメント(不退転の決意)の不足、性格的な弱さなどであるとされている。

プロジェクトマネージャーの心得

  • プロジェクトマネージャーは、すべてのことを一人で管理するのではなく、重点管理を基本とする。経験則「20:80ルール」の応用や例外管理です。
  • 権限移譲も重要。移譲した範囲の進捗、成果を報告させるという間接マネジメントを行って共同歩調をとる必要ある。
  • PDCAを基本におき、繰り返して回す。
  • 問題が起きた場合、早期の解決へ向かうように手を打つことも大事。

運営段階のプロジェクトマネジメントの心得

  • 重点管理・例外管理
  • 権限移譲
  • 気配りチーム運営
  • PDCA
  • 問題解決

用語:20:80ルール

成果や結果の8割は、その要素や要因の2割に基づくという一般法則。「にっぱちの法則」といい「パレートの法則」と同義する場合もある

20‐80のルールとは、構成要素を大きい順に並べた時、上位20%の要素で全体の80%程度を占めることが多いという経験則。ビジネスに限らず様々なケースにおいて、一部の要素が全体のかなりの割合を占めることが経験的に知られている。ビジネスシーンでの典型的な例としては、「上位20%の顧客で売上げの80%を占める」「上位20%の商品で売上げの80%を占める」「故障原因の上位20%で80%の故障を説明できる」などがある。ただし、あらゆるケースに20-80の比率が当てはまるわけではない。企業や業界によっては、それが10-90の場合もあれば、30-70の場合もある。20-80はあくまで経験上、最も頻繁に観察される比率にすぎない。したがって、ラフな目処として20-80を用いるのはかまわないが、正確な分析を期すのであれば、実データに基づいてパレート分析を行うことが望ましい。20-80のルールはまた、仮説検証を行うときに、「100の手間をかけて100%の精度を狙うのではなく、20の手間で80%の精度まで検証できたら、次のステップに移ることが望ましい」といった意味合いでも用いられる。これは、ビジネスで最も重要な要素の1つであるスピードを意識させるための言い方であり、同じことを強調するために「Quick and Dirty」といった表現も用いられる。

20‐80のルール(20-80の法則)|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA